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認知症の人と家族が明るく生きるために

心ならずも認知症という病になられたみなさん!
認知症の人を支えともに生きている家族のみなさん!

私たちは、認知症の家族の介護を行い、そのつらかった経験から仲間とともに「家族の会」をつくり、今日まで37年にわたって「家族の会」の活動を続けています。
かつては、認知症の人は何もできない何も分からない人と思われ、「痴呆」という差別的で侮辱的な呼び方をされていました。
一方家族は、社会的な理解や行政の支援は一切なく、孤立無援の思いで家族だけの力で介護をしていました。
私たちは、「『ぼけ』ても心は生きている」「認知症になっても安心して暮らせる社会を」と訴えて、認知症の人への理解と介護の社会化を求めてきました。
そして今日では、認知症の人は何もできない何も分からない人ではないということが社会の常識になりました。家族への支援の施策も以前と比較すると格段に進みました。
認知症サポーターは900万人を超えています。世界的にみても各国で理解と施策を進めようとする取り組みが大きく動き始めています。認知症を治すための薬の研究も世界中で進んでいます。進行を遅らせる薬は4数種類に増えました。
37年前とくらべると社会は大きく変化しました。認知症は地球規模で゙新しい時代”へ向かっています。

不安を抱えているのはあなただけではありません。
仲間とつながれば生きる勇気がわいてきます。

不安を抱えているのはあなただけではありません。困難に直面して苦労しているのはあなただけではありません。
いま日本には600万人を超える認知症の人がいるといわれています。ともに生きる家族は一千万人近くになるでしょう。
不安や困難は、一人だけでかかえていると際限なく大きく膨らんでしまいます。
まずは、仲間をつくりましょう。
同じ思いを持つ者どうしが集まると、かならず「ああ、自分だけではないのだ」と思えます。そうすると気持ちが軽くなって、生きること介護することへの勇気がわいてきます。他の人の知恵や工夫を知ることができ、情報も交換できます。そうすると日々の暮らしに役立ちます。
仲間どうしなら遠慮なく泣くこともできます。そうすると不思議なことにかならず笑いあうことができるようになります。
まずは仲間とつながること、それが明るく生きるための最初の一歩です。

認知症になっても人生の終わりではありません。
あなたは何も変わっていないはずです。

認知症になったからといって、人生が終わるわけではありません。
ご本人がいちばんわかっておられるように、物覚えが少し悪くなっても、計算ができにくくなっても、自分が自分であることは少しも変わっていないはずです。
家族を愛する思い、社会で働きたいという思い、普通に暮らしたいという思いは以前と同じはずです。
家族もそのことを理解しています。理解しているから、病気の人を支えともに生きようと思っているのです。しかし人を支えるということは簡単なことではありません。家族自身が健康でなければできませんし、家族の暮らしが安定していることも必要です。
認知症の人にとっても家族にとっても、社会的な支えが必要です。
“゙新しい時代”へ向かっているとはいえ、ほんとうに安心して暮らせる社会には、いまだ道半ばではあります。
人々の理解、薬の開発、社会の取り組みをさらに進めてもらうために、私たちは力を合わせましょう。

心ならずも認知症という病になられたみなさん!
認知症の人を支えともに生きている家族のみなさん!

人はだれもいつかかならず死にます。そのことは避けることができません。
大切なことは寿命いっぱい生きることです。生きていることが大切なのです。
看とり終えた家族の多くは失禁などで苦労して、「いつまで続くのか」と恨みに思ったこともあっただろうけど、その苦労は自分たち家族の生きる力にもなっていたのだと振り返って、今を生きています。
病気になって家族に支えられるようになっても、子どもにとっては親としての、妻にとっては夫としての、夫にとっては妻としての存在価値は少しも軽くなるものではありません。
支える立場になったとしても、かなしくて苦しいだけではありません。これまでの人生でさまざまなことがあったとしても大切な人との新しい関係、新しい場面への挑戦です。
仲間は大勢います。認知症の人も家族も、仲間とつながり工夫や知恵や情報を交流すれば、新しい場面での生きがいや希望も見えてきて、明るく生きるための歩みを進めます。
立ち止まらず、仲間の中へ一歩をふみだしましょう。

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