富山県在住 山本きみ子さん(60歳)

「何かしたい。私たちも参加できる社会を!」と願い
デイサービスでボランティアをしています。

たまたま私がかかった病気が認知症だったんです。病気に優劣はないし、病気のためにできないことがあれば、助けてもらえばいい。病気を隠し、外出も控えるといったことは病気のためにもよくないと思う。病気のことを隠していて、隠し通せない事態になって他人に知られることになれば、その時深く傷付くのは自分だと思うので、それであれば、自分から率先して名前も顔も公表してしまおうと考えています。私の病気を嫌がる人がいることも事実で、それは仕方ないですね。

私はもともと人の役に立ちたいという思いが強かったので看護師になったんです。大病院に勤務していた頃は認知症についてよく知らなかったのですが、転勤後認知症の勉強を始め『家族の会』にも協力していたという経緯も大きく影響しているのかもしれません。

でも、この病気の難しいところは、病院で治療を受けるだけでは十分ではなく、家族のサポート、病気を知ること、仲間と話し合うことが重要です。この病気のために苦労されている方々がその人らしい日々を過ごせる社会の実現を強く望んでいます。

最近では、私の体験や考え方を多くの人に聞いてもらうことがその一助になればと考え、講演会や「つどい」の講師役も積極的に引き受けています。

週2回、デイサービス施設で通所される方々のお世話をする山本さん。看護師の経験を活かし、血圧を測定して利用者さんの健康状態をチェックすることも山本さんの日課のひとつです。こうした仕事をとおし、人の役に立てていることが実感でき、それが励みにもなると話す笑顔は万人を勇気付けます。

山本さんの病気を契機に「家族の会」の世話人となって奥様を後押ししているご主人。今でもご夫婦の出会いをもたらした社交ダンスを週1回続けておられます。また、病気がわかってからは、お子様方がすでにご結婚されていることもあり、年2回の海外旅行をご夫婦で楽しんでおられます。山本さんの笑顔は、仕事と家庭を両立させつつ暖かく見守るご主人のおかげかもしれません。

※インタビュー内容はすべて取材当時のものです。年齢や所属機関等、変更となっている場合がございます。