軽度認知障害(MCI)とは?

監修:大阪大学大学院 医学系研究科
精神医学分野 教授 池田 学

「何かおかしい」という感覚

認知症の人は、症状が明らかになる前に「何かおかしい」「以前とはどこか違う」と感じていることが多いようです。「以前より認知機能の低下はあるものの認知症ではない」といった健常と認知症の中間の状態を軽度認知障害(MCI)と呼ぶことがあります。

軽度認知障害(MCI)とは?

自分自身や周囲の人が、以前に比べて記憶力や判断力などの認知機能の低下を感じているものの、日常生活に支障が生じるほどではなく、認知症の診断には至らない状態が軽度認知障害(MCI)です。2012年の時点で、日本国内において約400万人もの人がこの状態にあると推測されています(※)。

認知症対策総合研究事業「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(H25.5報告)

MCI: Mild Cognitive Impairment

原因は様々で個人によって症状が異なります

旅行の計画を立てる、明細書の整理など細かな金銭管理を行う、現在服用している薬を管理してきちんと飲む、といった複雑な作業に時間がかかったり、軽い支障をきたす場合があります。アルツハイマー病や血管性疾患、レビー小体病、うつ病など背景にある疾患は様々であり、どのような症状があらわれるかは個人によって異なります。

健康な状態に戻る場合もあります

MCIは、さらに認知機能が低下して認知症に至る可能性のある状態です。ただ、原因によっては状態が保たれたり、回復したりすることもあり、必ず認知症になるわけではありません。これまで様々な研究がなされており、1年で5~15%の人が認知症に移行するとされる一方、1年で16~41%の人が健康な状態に戻ったとする報告もあります(※)。

出典: 認知症疾患診療ガイドライン2017,「認知症疾患診療ガイドライン」作成委員会, p147, 2017, 医学書院

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