エーザイ

認知機能を維持させるポイント
身体活動(運動、労働、家事、通勤・通学の移動など)

更新日:2021/12/08

記事監修

九州大学病院 精神科神経科 診療准教授
小原 知之 先生

運動や普段の生活の中で、身体をよく動かしましょう

◆目安:散歩や座位のラジオ体操相当の身体活動を、毎日40分◆

WHOガイドラインの推奨

認知機能が正常な人に対し、認知機能低下のリスクを低減させる対策として、身体活動を「強く勧める」。

身体活動には、体力を維持・向上させるための「運動」だけでなく、日常生活における仕事、家事、移動などの「生活活動」も含まれます。

【65歳以上の高齢者】

『健康づくりのための身体活動基準2013』では、身体活動の基準を次のように設定しています1

  • 身体活動を10メッツ・時*/週(強度を問わず
  • 毎日40分(横になったまま、座ったまま以外、運動の種類は不問)

可能であれば、3メッツ以上の運動を含めた身体活動が望ましいとしています。

【18~64歳の若者~中高年者】

認知機能低下のリスクを低減するための対策は、中高年の時期から積極的に取り組むことが大切です。
『健康づくりのための身体活動基準2013』では、身体活動の基準を次のように設定しています1

  • 3メッツ以上の身体活動を23メッツ・時*/週
  • 毎日60分(歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動)

「メッツ」とは?
運動や身体活動の強さの単位です。安静時を1として、何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。目安として、「3メッツ以上の身体活動」は歩行またはそれと同等以上の身体活動に相当します。
「メッツ・時」は、メッツと運動時間をかけた値です。例えば、3メッツの身体活動を40分(2/3時間)行った場合、3メッツ×2/3時間=2メッツ・時になり、これを1週間毎日行うと、2メッツ・時×7日=14メッツ・時/週になります。

代表的な身体活動のメッツ

どのような身体活動がどれくらいのメッツなのか、下の図を参考にしてみましょう。
身体活動の基準にとらわれずに、ご自身の身体能力や日々の状態に合わせて、無理のない範囲で楽しみながら身体を動かしましょう。

参考文献1より作成

(参考文献)
1,厚生労働省『健康づくりのための身体活動基準2013』
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpqt.pdf(最終閲覧日:2021年12月8日)

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